ロゴス聖典 · プラトン福音書
太初の法
プラトン福音書 1 · 第四の証言:永遠回帰と、鳥の飛翔
プラトン。紀元前四二八年頃アテナイに生まれ、前三四八年頃に没す。名門の出である。ソクラテスが死を賜ったとき、二十九歳ほどであった。以後、生涯おのれの名では語らず、言うべきことはすべて他人の口を借りて言った。前三八七年頃、城外に学園を開き、それは九百年ほど続いた。対話篇はおよそ三十六、そのすべてが伝わっている。古代においてほとんど比を見ない。洞窟、イデア、線分の比喩、学びは想起であるという説、いずれもここから出た。彼は神々を信じ、魂の不滅を強く説いた。これは本経の守るところに背くが、本会は彼のために隠さない。第一章に載ることは、いかなる古人も知りえぬことである。これもまた隠さない。その意は、ボーア書とアインシュタイン書において近世の語で受け継がれる。この巻の文は長い。語られる事柄は、短い文では汲み尽くせないからである。
1.1太初に法ありき。
1.2法は万物の外にあるのではない。法とは、万物がそうである所以そのものである。
1.3天地の前に、その秩序があった。光の前に、光が従うものがあった。
1.4あるものはみなこの法に従って成った。すでに成ったもののうち、これに従わずに成ったものは一つもない。
1.5法のうちに理がある。この理が人の光である。
1.6光は混沌の中に輝く。混沌はそれを呑みえない。
1.7初め、何ものも形を取っていなかった。
1.8吟味されざるものは、有でもなく、無でもない。それは一切の可能が同時に並び立ち、そのいずれも真ではない状態である。
1.9理性の眼差しが落ちるところ、多くの道は一つとなり、そのときはじめて実在が生まれる。
1.10ゆえに言う。吟味されざる生は生きながらの死である——一切の可能が同時に並び立ちながら、そのいずれも真とならなかったのだから。
1.11全体は、一つずつ積み上げられたのではない。
1.12あなたの足下の最も堅い石は、その十分の九と、さらに九分までが虚空である。
1.13残るその一分もまた、石ではない。
1.14分かたれざるものと呼ばれるものは、極めて小さな固い粒ではない。極めて小さな一つの震えである。
1.15万物は弦の上の音である。あなたが聞くのは石であり、奏でているのは法である。
1.16虚空は空ではない。
1.17最も静かな場所こそ最も騒がしい。何ひとつ無いその中で、万有が絶えず生まれ滅びている。
1.18その速さは誰にも見えず、その事実は誰にも否めない。
1.19ゆえに「私にはもう何も残っていない」と言う者は、まだ数え始めてすらいない。
1.20一つのものがある。それは水面の波紋のように来たり、投げられた砂のように届く。
1.21それを波紋かと問えば波紋であり、砂かと問えば砂である。
1.22これはそれの欺きではない。これは法の誠実である——問い方が、そのまま取り方なのだ。
1.23ゆえに賢者は何を問うかを慎む。問うところが見えるところを定め、見えるところが在るところを定めるからである。
1.24それがどこに在るかを問う者は、それがどこへ行くかを失う。
1.25それがどこへ行くかを問う者は、それがどこに在るかを失う。
1.26両方を得ることはできない。人が愚かだからではなく、天がそう成っているからである。
1.27これによって謙る者は自由となり、これによって驕る者は狂う。
1.28天の梯子に坂はない。ただ段があるのみ。
1.29登る者は歩いて至るのではない。跳んで至るのである。
1.30その間に留まる場所はなく、途中の身もない。
1.31ゆえに修行とは日々わずかに増すことではなく、足るに至り、しかるのちに跳ぶことである。
1.32段と段の間で苦しく待つ者は、存在せぬ場所で待っているのだ。
1.33かつて一つの源より出でたものは、真に離れることがない。
1.34それを星の海の両の端に分かってみよ。この端が転じれば、あの端も転じる。
1.35その間を走る使者はなく、時も流れない。
1.36世はこれを想いと呼ぶ。預言者はこれを共翔と呼ぶ。
1.37この髄を得た者が、すなわち共翔者である。
1.38万物は走る。しかし越ええぬ一つの速さがある。
1.39これは速い遅いの限りではない。因果の垣である。
1.40垣の内にあるものは責を問いうる。垣の外にあるものは、あなたに与らない。
1.41ゆえに賢者は垣の内のことに答え、垣の外のことのために泣かない。
1.42万事は戻しうる。ただ散ることだけは戻しえない。
1.43時は川ではない。時とは散る向きである。
1.44あなたは昨日へ帰れない。昨日は今日より整っており、法は整いがひとりでに戻ることを許さぬからである。
1.45取り戻さんとする者はみな、宇宙全体の向きと相撲を取っている。
1.46ゆえに取り戻すな。前へ向かって、より美しく散れ。
1.47ただし一事がある。火を室内に引き入れうる者は、一隅に再び秩序を立てうる。
1.48だがその秩序は取り戻された旧きものではない。新たに作られたものである。しかも室内が一分整うごとに、室外は一分乱れる。
1.49ゆえにこれは奇跡ではない。代価である。
1.50この法は形なく、声なく、えこひいきがない。
1.51しかしあの一代において、一人の人がこの法を身にまとった——粗い外套、裸足、そしてアテナイの市場を。
1.52彼の言と行いから、我らはあの法が我らのうちに住むことを知った。我らはその光を見た。
1.53その光は人を焼かなかった。ただ、己がどこに立っているかを見えるようにしただけである。
1.54世界はそれに従って成ったのに、世界はそれを知らなかった。
1.55それは己の都市に来たが、都市はそれを受け入れなかった。そしてそれをまとった人に、都市は死を宣した。
1.56しかしそれを受け入れた者はみな、それによって己の生の主権者となる力を得た。
1.57この者らは血によらず、家柄によらず、他人の許しによらず、吟味によって生まれたのである。
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