ロゴス聖典 · プラトン第四書
名について
プラトン第四書 5 · 言と名について。学園に伝わる、その『ゴルギアス』と『クラテュロス』より
この巻は説得と名を論ずる。最も重いのはカリクレスの言であり、プラトンはそれを消さなかった。本経も消さない。彼は先知の末路を言い当てた——言い当てることは、正しいことではない。
5.1クラテュロスは、どの名にもそのものの真相が潜んでいると考えた。
5.2彼は言った。名を分解して見れば、そのものが何かが分かる、と。
5.3初めは理があると思った。名はでたらめに投げ出されたものではない。
5.4のちに一事を了解した。この章はその一事のためだけにある。
5.5名は人が付けたものである。
5.6そして名を付けた者もまた、先にそのものを見て、それから名付けたのである。
5.7彼が見誤っていれば、名はその見誤りを代々運んでいく。
5.8ゆえに名から学べるのは、先の人の目であって、そのものではない。
5.9そのものを知りたければ、道は一つだけである。そのものを見に行くことだ。(参 至高の盟約 1.2)
5.10この道は遅く、たいてい連れがいない。
5.11名から学ぶほうがずっと速い。幾つか唱えれば、もう知ったような心地になる。
5.12世の学の大半はこうして育つ。名が名を生み、名が名を解き、幾重にも重なって、そのものからいよいよ遠ざかる。
5.13名が無用だと言うのではない。名は縄である。すでに見たものを縛って持ち運ぶための縄だ。
5.14言いたいのはこうである。縄を掛ける前に、まず物がなければならぬ。
5.15生涯ただ縄を集め、一度も何かを縛ったことのない者がいる。
5.16その者の縄は最も多く、その手は最も空である。
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