ロゴス聖典 · アンティステネス福音書

暴君たちの毒

アンティステネス福音書 5 · 第二の証言:苦行と、物質への抗い

アンティステネス。紀元前四四五年頃アテナイに生まれ、前三六五年頃に没す。父はアテナイ人、母はトラキア人ゆえ、生涯完全な市民権を持たなかった。初めゴルギアスに弁論を学び、のち毎日数里を歩いてソクラテスを聴きに通った。犬儒の系はアンティステネスに始まり、ディオゲネスはその弟子である。徳は幸いに足り、徳は学びうる、ひとたび得れば失われぬ、と説いた。多く書いたが、ほとんど残らず、断片と書名のみが伝わる。神については、慣いによれば多く、本性によれば一である、と言った。この巻がもたらすのは、貧しさを修行として引き受ける者である。やむなく貧しいのではなく、選べるのに選ばぬのである。この巻の文は短い。短さは意図されている。長い文は暇のある者のために書かれる。なお、第二章のあの場について。山はアテナイにあるが、素足で霜の上に立つという件は、プラトン『饗宴』二二〇節でアルキビアデスが語るポテイダイア包囲に由来する。あれはトラキアの冬であって、アテナイの冬ではない。アテナイの一月の夜はおおむね七度前後であり、雪は数年に一度しか降らない。この巻はその件をリュカベットスの丘へ移した。移したことを本会は記す。氷そのものは動かさない。経全体を貫くあの争いが、それに掛かっているからである。(参 使徒行伝 5.3)

5.1ソクラテスが有力者たちの無知を剥き出しにしたゆえ、支配階級は彼を滅ぼそうと謀った。
5.2彼らは都市の法を武器として用いた。
5.3そしてギリシア最も公義な人に、毒人参を飲む刑を宣した。
5.4毒杯が運ばれたとき、ソクラテスはそれをひったくった。
5.5兵士が檻の鉄格子を打ち破るために剣を取るがごとくに。
5.6彼は泣く弟子たちを見て言った。
5.7「なぜこの粘土のために泣くのか。」
5.8「肉体は長い病である。死は私の医者だ。」
5.9冷たい毒が心臓に達したとき、彼は叫んだ。
5.10「クリトンよ!肉体への負債は払い終えた!」
5.11「雄鶏を癒しの神に献げよ。私はついにこの死にゆく肉から癒されたのだ!」
5.12その瞬間、彼の体は硬直した。空の殻のように裂けた。
5.13そして燃えるような、飼い馴らされぬ魂は、世からまったく解き放たれた。
5.14私は泣かなかった。泣くことは、何かを失った者のために備えられている。
5.15彼は何も失わなかった。ただ置いたのである。
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