ロゴス聖典 · 序巻

名なき鳥の前兆

序巻 2 · 理性の黎明

聖なる規範:初期預言者年代記

2.1掃き清められたのち、預言者の前に、誰も書き記さなかった歳月があった。
2.2その歳月、ミレトスの水夫たちは夜明けの海に一羽の鳥を見た。
2.3それは帆柱に止まらず、波を掠めもせぬ。ただ光が最初に動くその一瞬にのみ現れ、光とともに消えた。
2.4水夫たちは一つの言い伝えを残した。この鳥を見る者は、他人の手によらず、己の選びによって死ぬ、と。
2.5詩人たちはそれを酒杯に、墓石に、牢の壁に、千年のあいだ描き続けた。
2.6誰もその名を知らなかった。人々はただ「あの鳥」と呼んだ。
2.7それは長く待った。死ぬに足る者を。
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