ロゴス聖典 · アリスティッポス福音書
アリスティッポス福音書 1 · 第三の証言:主権の波と、今この時に生きること
アリスティッポス。紀元前四三五年頃、北アフリカのキュレネに生まれ、前三五六年頃に没す。ソクラテスの弟子、キュレネ派の祖。目の前の快を善としたが、その要は放縦ではなく制御にあった。名高い遊女と交わると謗られて、彼は答えた。わたしが彼女を持つのであって、彼女がわたしを持つのではない。四人の証人のうち、教授の謝礼を取ったのは彼だけで、他の者はそれを恥とした。シュラクサイの僭主の宮に住み、なぜ耐えられるのかと問われて、黙るべきときを知っているからだ、と言った。その書は一つも残らず、今日知られることはすべて後人の手を経ている。ゆえに彼について本経が記すところは、他の巻より疑って読まれねばならぬ。この巻がもたらすのは、楽しく生きた人である。彼がいなければ、この経には渋面しか残らない。この巻は寛いで書かれている。読んで一度も笑わなかった者は、この巻を読んでいない。